絶対に忘れない単語の記憶法



今年の9月11日で、同時テロ発生から13年になりますね。あの日、夜11時過ぎに帰宅した直後に目に入ったテレビの映像。煙がなびく高層ビルの映像は今でも忘れられません。それだけでも十分衝撃的でしたが、2001年に私が勤め始めた会社の本社がボストン。日本時間の翌日になって、その会社の創業者がAA11便(ハイジャックされた2機のうちのひとつ)に乗っていたと聞きました。

Daniel Lewin

そんな話を、11日のTOEICリーディング・レッスンではすこしだけ触れたのですが、当時の思い出をもう少し書きたいと思います。

その会社は「何のビジネスをしている」という説明をするのが難しい会社。なので私はたいてい、「インターネットの会社に勤めている」「ウェブ関係の仕事」とお茶を濁していました。もうちょっと踏み込んで言えば、「インターネットやウェブサイトの容量を増やす会社」で、「顧客のウェブサイトの配信能力を強化するサービス」を提供していました。

能力や容量のことを、capacityという単語で表現します。ウェブサイトのcapabilityといえば、それがどれだけのリクエストに対応できるかという意味。回線のcapacityと言えば回線の太さ(帯域、例えば100Mbpsとか)を指します。なのでその会社では、capacityは会話の中で頻繁に使われる単語でした。

ある日、ボストンから出張で来ていたMさんとミーティング中のこと。彼のいう「コンシティ」という単語がどうしても意味が分からない。日本人の同僚Tさんに「Mさんがコンシティ、コンシティ、って言っているけど、どういう意味ですか?」と聞いたら、「それ、キャシティ(capacity)って言ってるんじゃないですか?」と一言。それなら意味が通じます。ca-pac-i-tyで最も強く発音されるpacの前の、弱く曇った音のcaが、「キャ」ではなく「コン」に聞こえていたのでした。

分かってしまえば非常に簡単なこと。なので、発音が分からなかったことも、その質問したことも、当時は非常に恥ずかしく感じていました。そんなこともあって、capacity、私にとっては忘れられない単語です。

11日のレッスンの中では、capacityという単語に触れる機会もあったのですが、911の話とは繋げて話すことができず残念だったので、ここに書きました!たった1つの単語ですが、そんな経験が加わると、「絶対に忘れない!」単語に進化しますね。これは仕事上の体験でしたが、テストでもこだわって学習〜受験をしていれば、そんな忘れられない経験があるかもしれませんよ。

ちなみに2001年当時、勤務していた会社はアカマイという会社で、今では当時よりかなり大きな会社になっています。ホームページには、Akamai handles 20% of the world”s total Web traffic.(アカマイは世界のウェブトラフィックの20%を配信しています)とあるので、100Tbpsクラス(単位のTはテラ=0が12個並ぶ単位)の配信を行っているということでしょうか。もしかしたら、一桁上のPbps(ペタ=0が15個)クラスかもしれませんね。ちなみに、今年のサッカー・ワールドカップ準決勝では、ピーク時で6.87Tbpsのビデオ配信を行ったと書いてありました。

テラにしても、ペタにしても、非常に大きな数字でイメージがわかないかもしれません。家庭のインターネットのcapacityは、100Mbps程度が一般的ですね。その10倍が1Gbps(ギガ=0が9個)、1万倍が1Tbps、1千万倍が1Pbpsです。ちなみに2001年当時のアカマイのピーク配信量は約4Gpbsでした。911当日はインターネットの通信量はうなぎ登りで、ニュースサイトは軒並みダウン。アカマイを使っていたサイトは、多くがダウンせずに配信を続けていました。その日のアカマイの配信量は、17Gbps程度。ワールドカップのビデオ配信とくらべてもゼロが2個違いますね。

最後になりましたが、911で犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。

P.S. アカマイという会社について、私は説明が得意ではないのですが、ベストセラーのこの本では、非常にわかりやすくまとめられています。

※この記事での「配信量」は配信能力ではなく、実際に配信された通信量(実績)を指しています。


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